社員旅行で税金がかかる⁉過去の事例から対策を考える

こんにちは!東京・三軒茶屋の税理士の岩沢です。

今この感染症の状況下でタイムリーな話ではありませんが、

頑張ってくれている従業員のため、あるいは社長一人だけの会社であっても、

会社のお金で社員旅行に行けたら、しかもそれが会社の経費になって節税できるとなったら、ぜひ利用したいですよね。

ただ、何も考えずに社員旅行として費用を負担してあげてしまうと、

従業員の税金が増えてしまう可能性があるのです。

今回は、社員旅行を計画する際に気を付けたい点と、税務調査で問題を指摘された場合の税金への影響、

税務調査で指摘(NG)を受けないための対策について解説します。

社員旅行を福利厚生費にできる要件

実は、社員旅行の費用を会社の経費にするには、「〇〇泊以内」などの制限があるのです。

社員旅行が福利厚生の範囲内であると判断する基準

①旅行期間が4泊5日以内

②参加者が全体の50%以上

(国税庁HPタックスアンサー№2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行)

①旅行期間が4泊5日以内

海外旅行であれば、外国での「滞在日数」が4泊5日以内であれば要件を満たします。

フライトの関係で4泊6日になってしまっても、海外での滞在日数が5日であれば大丈夫です。

②参加者が全体の50%以上

最近は社員旅行に行きたくないことを隠さないで良い風潮が少しずつ広がっている気がします。

社長としては寂しいでしょうが(笑)

全体の半分以上の人が参加しなければこの要件を満たさないのですから、

社員旅行を実質強制参加とする風潮は会社によって残りそうです。。

注意!① 参加していない人への金銭支給

なお、旅行に参加しなかった人に対してその分の金額を支給してしまうと、

参加者も不参加者も含め全員に不参加者への支給額分の給料の支給があったものとみなされ、

従業員の所得税・住民税がかかってしまいます。

 

注意!② 役員のみの社員旅行

いくら全社員の50%以上という要件を守ったとしても、

役員や特定の人だけで旅行しても福利厚生と認められません。

 

注意!③ 役員だけの会社は?

社員旅行は従業員の苦労をねぎらう慰労の性質なので、

役員だけしかいない会社には社員旅行として経費にできる余地はないかと考えられます。

『研修旅行』や出張であれば、

要件を満たせば「研修費」もしくは「旅費交通費」として経費に計上できる余地があります。

所得税基本通達36-30 (課税しない経済的利益…使用者が負担するレクリエーションの費用)の運用について

要件を満たしても、高額だと給料になってしまう

「4泊5日以内」や「全体の50%以上が参加」などの要件を満たしていても、

「社会通念上、高額である」と判断されてしまうと、福利厚生と認められなくなってしまいます。

「いくらまでならOK」という分かりやすい基準があれば良いのですが、残念ながらありません。

世間一般常識から考えて普通な旅行をしないと、給料として税金がかかってしまいます。

普通、と言われてもよく分からないので、

社員旅行にしては豪華すぎる!と判断されてしまった過去の事例を見てみましょう。

  • 行先:マカオ
  • 期間:2泊3日
  • 人数:役員と従業員10名+外注社員
  • 費用:従業員ひとり当たり241,300円
  • 公表裁決:平成10年6月30日,平成22年12月17日

宿泊・日数要件や人数要件は満たしているにもかかわらず、

これは福利厚生と認められず、従業員への給料であると税務署から判断されてしまった事例です。

その主な理由は「高額である」ことでした。

何をもって高額と判断するかの目安になると思うので、その内容をご紹介します。

 

一般的な会社負担水準と比べて高すぎる

海外への慰安旅行の一般的な会社負担額は、

旅行費用の平均額81,154円の会社負担率70.1%をかけた56,889円

この会社の負担額241,300円は、平均水準を大きく上回る。

 

ホテルや食事のグレードが高すぎる

この会社は、マカオの最高級ホテルに1人1部屋で宿泊し、全6食を最高グレードにしていたことなどから、

一般的なマカオ旅行と比べると割高になっていた。

 

むなしくも認められなかった会社側の言い分

なお、会社側が以下の主張をしても認められませんでした。

注意!④ 認められなかった会社の言い分

・社員旅行は業務命令で強制的に参加させた社内行事だから、給料というのはおかしい

・今は社員旅行は不人気だから、ある程度贅沢な旅行にしないと社員に評価してもらえない

・いくらなら高額と判断されないか事前に分からないのだから仕方ないだろう

・業務に支障のないように連休を使って行ったから、旅行代金が高くなってしまった

社員旅行が福利厚生と認められなかったらどうなる?

「今年は皆がんばってくれたから、ハワイに1週間社員旅行だ!」

会社が出してくれるなら嬉しいですが、上のとおり、これだと福利厚生として認められません。

では、福利厚生と認められないとどうなるのでしょうか?

 

従業員:給料とみなされて税金が取られる

給料はなにもお金だけではなく、「現物給与」といって何かモノをもらったりしたときも該当します。

給料をもらったら税金(所得税・住民税)がかかるのは当然。

税務調査で指摘されたら、過去にさかのぼって税金が徴収されることになります。

 

会社:源泉所得税の納付漏れになる

通常、会社は従業員への給料の支払いのときに所得税を天引きし(源泉徴収)、

翌月10日までに税務署に納付しなければなりません。

これは給料だけでなく、『経済的利益』を与えた場合も同じです。

税務調査で過去の食事の支給がこの『経済的利益』とみなされた場合、

その当時において源泉徴収した所得税を税務署に支払う必要があったことになります。

なので、源泉所得税の納付が遅れたことによる追加の税金負担が発生します。

基本的な追加の税金は以下の2つです。

不納付加算税

源泉所得税を納付していないことに対する罰金的な税金です。

本来納付するべきだった税金額の10%がかかります。

ただし、税務署から指摘される前に自主的に納付した場合は、5%の負担で済みます。

なお、以下の場合はこの不納付加算税が免除されます。

不納付加算税が免除される要件

①納付の意思はきちんとある。わざと遅らせたわけではない。

②遅れたけど、期限から1か月以内に納付している。

③過去1年間、納付に遅れはない。

④不納付加算税が5,000円未満

 

延滞税

税金を期限内に払わないと、利息的な意味合いの『延滞税』がかかります。

納付期限が2か月までは税率は高くありませんが、それを超えると倍以上の利率になります。

▶納付期限から2か月以内 年利7.3% or 「特例基準割合(注1)+1%」の低い方。

具体的には以下のとおりです。

  • 令和3年1月1日から令和3年12月31日まで:年2.5%
  • 平成31年1月1日から令和2年12月31日まで:年2.6%
  • 平成30年1月1日から平成30年12月31日まで:年2.6%
  • 平成29年1月1日から平成29年12月31日まで:年2.7%

▶納付期限から2か月超 年14.6%と「特例基準割合(注1)+7.3%」の低い方。

具体的には以下のとおりです。

  • 令和3年1月1日から令和3年12月31日まで:年8.8%
  • 平成31年1月1日から令和2年12月31日まで:年8.9%
  • 平成30年1月1日から平成30年12月31日まで:年8.9%
  • 平成29年1月1日から平成29年12月31日まで:年9.0%

カードローンほどとは行かなくても、けっこう高利でビックリですよね。

なお、ウソや不正行為で脱税をした場合などを除いて、修正申告書等を提出していれば、延滞税は最長1年分で済みます。

まとめ

今回は、社員旅行について税務調査で問題を指摘された場合の税金への影響、税務調査で指摘(NG)を受けないための対策について解説しました。

社員旅行に行ったのに(人によってはイヤイヤ参加)、後から税金がかかってしまっては後味が悪いですよね。。

会社としても追加の税金がかかってしまうのですから、事前にしっかり対策をとっておきましょう。


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税理士とのコミュニケーション不足は、記帳内容がぐちゃぐちゃになり、誤った経理処理となる要因となります。

その結果、3~5年周期の税務調査において指摘の対象となり、

最大40%の追徴課税(追加で税金が取られてしまうこと)のリスクが高まります。

無駄な税金を払わないためには、常日頃、経理処理や経営環境などについて税理士と共有し、

追徴課税リスクへの対応策を早期に講じることが大切です。

岩沢将志税理士事務所では、経理内容のご相談はもちろん、

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Masashi Iwasawa

Certified Accountant / Business Advisor / Taxation Consultant based in Tokyo.
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