こんにちは!東京・三軒茶屋の税理士の岩沢です。
取引先との商談や営業のときなど、飲食店で接待することも多いと思います。
当然、ビジネスに関係ある飲食代であれば会社の経費にすることができます。
でも、領収書をもらうだけで満足していませんか?
実は、領収書だけでは接待をしたという証拠書類として十分ではないのです。
今回は、接待飲食代や会議費を経費にするために必要な方法について解説します。
目次-Contents-
領収書だけではプライベートとの区別が難しい
領収書されあれば経費になるとしたら、完全プライベートな飲み代も経費に出来てしまうし、
自分は何も支払っていないのに、知り合いから領収書だけもらってくる不届き者もいるかもしれません。
要は、飲食店の領収書だけではプライベートとの区別が難しく、税務調査で根掘り葉掘り聞かれる恐れがあるのです。
きちんと説明できなければ経費としての処理をくつがえされ、
『役員賞与』とみなされて多額の追加税金が取られてしまうこともあります。
同席者の名前を書く
せっかく接待してお金を払ったのに、経費として認められなかったら損ですよね。
その分税金が減るはずだったのに、逆に取られることになってしまうんですから。
そんなことのないように、領収書の余白に『同席者の名前』を書いておきましょう。
「相手の名前を書くのはプライベートだからちょっと…」と難色を示す人もたまにいます。
しかし、これをしないと会社の経費としての判断が認められなくなって損してしまうんですから、
どちらが妥当な判断か、よく考えるようにしましょう。
カフェで打合せしたり、作業した場合は?
取引先とカフェで打合せしたりすることもあるかと思います。
これも、基本的にはレシートだけでは証拠書類として不十分です。
議事録を残しておく
誰とどんな内容について話したかについて議事録を用意して、そこに領収書を貼っておけば、
それが会議費としての支出であることをきちんと調査官に説明できます。
議事録テンプレートを使って作成するのが望ましいですが、
最低限、領収書の余白へのメモ書きだけでもやっておきましょう。
カフェでの一人作業は厳しい
カフェでのひとり作業代は、基本的に経費にすることは難しいです。
カフェで仕事をしなければならない、きちんとした理由があるかが問題です。
①家・事務所のWi-Fiが故障して、そこでは作業できない
②移動中に急な仕事の依頼が入り、近くのカフェですぐ対応しなければならなかった
以上、条件は厳しめかと思います。
本当に仕事したのか、実はただコーヒー飲んで休んでただけでは?と考えられてしまいがちな支出ですからね。
上記のようなきちんとした理由でカフェでの作業代を経費にする場合は、
その理由と作業内容を領収書の余白に記載しておきましょう。
不動産大家さんへのチェックは特に厳しめ…!
通常であれば、得意先や仕入先、外注先の人を接待してきちんと書類を整えておけば、経費として認められます。
ただし、不動産大家さんが交際費として処理できる相手が非常に限られているのです。
例えば税務調査で交際費について調べられているとき、相手先との関係について質問されます。
それが「入居者」以外の接待の場合は、基本的に交際費として認めない調査官が非常に多いです。
「入居者以外に接待する相手なんていないでしょ」というのが理屈です。
なお、これは規定で明示されているわけではなく、そのように判断する調査官が多いということです。
入居希望者や検討中の人を接待したときも、経費として認められる余地はあるかもしれません。
領収書は日頃から整理しておく
以上、領収書には相手の名前や話した内容などをメモ書きすることをご紹介しました。
これは決算直前になって慌てて一気にやろうとしても、大抵は思い出せないでしょう。
可能な限り、一日の終わりに領収書を財布から取り出して、メモして保管しておくようにしましょう。
交際費と認められなかったらどうなる?
取引先を接待して、しっかりと領収書ももらったのに、それが経費と認められないとどうなるのでしょうか?
【役員本人】役員賞与とみなされて税金が取られる
役員賞与とみなされたら、過去にさかのぼって税金(本人の所得税・住民税)が徴収されることになります。
【会社】源泉所得税の納付漏れになる
通常、会社は社員への給料の支払いのときに所得税を天引きし(源泉徴収)、
翌月10日までに税務署に納付しなければなりません。
これは給料だけでなく、『経済的利益』を与えた場合も同じです。
税務調査で過去の交際費が否認され役員賞与とみなされた場合、
その当時において源泉徴収した所得税を税務署に支払う必要があったことになります。
なので、源泉所得税の納付が遅れたことによる追加の税金負担が発生します。
基本的な追加の税金は以下の2つです。
不納付加算税
源泉所得税を納付していないことに対する罰金的な税金です。
本来納付するべきだった税金額の10%がかかります。
ただし、税務署から指摘される前に自主的に納付した場合は、5%の負担で済みます。
なお、以下の場合はこの不納付加算税が免除されます。
①納付の意思はきちんとある。わざと遅らせたわけではない。
②遅れたけど、期限から1か月以内に納付している。
③過去1年間、納付に遅れはない。
④不納付加算税が5,000円未満
延滞税
税金を期限内に払わないと、利息的な意味合いの『延滞税』がかかります。
納付期限が2か月までは税率は高くありませんが、それを超えると倍以上の利率になります。
▶納付期限から2か月以内 年利7.3% or 「特例基準割合(注1)+1%」の低い方。
具体的には以下のとおりです。
- 令和3年1月1日から令和3年12月31日まで:年2.5%
- 平成31年1月1日から令和2年12月31日まで:年2.6%
- 平成30年1月1日から平成30年12月31日まで:年2.6%
- 平成29年1月1日から平成29年12月31日まで:年2.7%
▶納付期限から2か月超 年14.6%と「特例基準割合(注1)+7.3%」の低い方。
具体的には以下のとおりです。
- 令和3年1月1日から令和3年12月31日まで:年8.8%
- 平成31年1月1日から令和2年12月31日まで:年8.9%
- 平成30年1月1日から平成30年12月31日まで:年8.9%
- 平成29年1月1日から平成29年12月31日まで:年9.0%
カードローンほどとは行かなくても、けっこう高利でビックリですよね。
なお、ウソや不正行為で脱税をした場合などを除いて、修正申告書等を提出していれば、延滞税は最長1年分で済みます。
【会社】定期同額給与でない部分の否認
さらに、役員に対する報酬は期を通して『同額』でなければなりません(定期同額給与)。
しかし、交際費が役員賞与とみなされてしまった場合は、毎回同額の支払いでなくなってしまいます。
毎月の同額の役員報酬とは別途の増額支給があったものと判断され、
毎月の決まった報酬を超える部分が会社の損金(≒経費)から除外されることになります。
つまり交際費が役員賞与とみなされると、
受け取った役員自身はその分の収入があったものとされて税金がかかってしまう一方、
会社は支出があったのに経費にできず税金も減らない、という二重課税の状態になってしまいます。
まとめ
今回は、接待飲食代や会議費を経費にするために必要な方法を解説しました。
領収書があるだけで安心している人が意外に多いです。
毎日しっかり領収書などを整理して、無駄な税金を払うことのないようにしましょう。
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- 現在の税理士が高齢でこの先が不安
税理士とのコミュニケーション不足は、記帳内容がぐちゃぐちゃになり、誤った経理処理となる要因となります。
その結果、3~5年周期の税務調査において指摘の対象となり、
最大40%の追徴課税(追加で税金が取られてしまうこと)のリスクが高まります。
無駄な税金を払わないためには、常日頃、経理処理や経営環境などについて税理士と共有し、
追徴課税リスクへの対応策を早期に講じることが大切です。
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