【海外口座の株】日本の税金はかかる?

「貯蓄から投資へ」の機運の高まりから、弊事務所にも株の確定申告に関するお問い合わせを多く頂くようになってきました。

さらにAmazonなどの海外の会社が身近な存在となってきたからか、『海外の口座にある株』の申告方法ついてのお問い合わせも増えてきております。

そのため今回は、海外の証券口座で運用していた株を売却したとき、

日本での確定申告がそもそも必要なのか、必要な場合はどのように進めればよいかをご紹介いたします。

 

目次-Contents-

課税方法

まず、個人に対する税金のかけ方をご紹介します。大きく以下の2つです。

「総合課税」

1年間の所得を投資以外も全部まとめて課税する方法

「分離課税」

投資だけを個別に課税する方法

「分離課税」はさらに細分化されています。

②-1「申告分離課税」

自身で確定申告が必要

②-2「源泉分離課税」

分配金(配当)を受け取るごとに、証券会社が口座から税金を差し引き、税務署に納付してくれる。この場合、確定申告は不要。

海外で源泉徴収されているけど?

残念ながら、確定申告が不要となるこの「源泉分離課税」は国内の金融機関で特定口座を利用した場合のみの適用なので、

海外の金融機関を利用した場合には、この方法は利用できません。

そのため、海外で源泉徴収されていても、原則として日本での確定申告が必要です。

ただし、年収2,000万円以下の給与所得者(サラリーマン)で、会社の年末調整がされている方は、

海外口座で運用している株などで得た利益が20万円以下であれば、少額ということで確定申告はしなくても大丈夫です。

海外口座の株から配当金をもらったときの税金

上場株式からの配当

申告分離課税での確定申告が必要。

税率は20.315%(所得税等15.315%、住民税5%)。

なお、国内口座の上場株式の譲渡損失との損益通算ができます。

損益通算とは、1つの株で利益が出ていても、ほかに損が出ている株があれば、その損失分だけ利益を差し引くことで税金を減らすしくみです。

未上場株式からの配当

配当所得として、総合課税での確定申告が必要。

稼げば稼ぐほど税率が高くなる、累進税率での課税となります。

海外口座の株を売却したときの税金

海外口座で管理している株式を売却して利益が出たときは、上場・未上場に関係なく申告分離課税が適用されます。

税率は20.315%(所得税等15.315%・住民税5%)。

なお国内の証券口座で運用されていれば認められる、上場株式配当との損益通算や、譲渡損失の3年間の繰越控除は認められません。

『譲渡損失の3年間の繰越控除』とは、上場株式等の譲渡損のうち、その年の譲渡益から控除しきれない損失金額を、

毎年確定申告を行うことによって最大3年間繰越すことで、

繰り越した年の株式等の譲渡益等を控除(すなわち節税)することが可能な制度です。

提出すべき確定申告書類

海外口座で運用している株について確定申告をするときの必要書類
  • 確定申告書B 第一表
  • 確定申告書 第三表
  • 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書

サラリーマンが医療費控除など簡単な確定申告をする際は、確定申告書のA版で事足りましたが、

株式の内容が含まれていればB版を利用します。

非永住者だったら?

ここまで『海外口座で管理している株』にかかる税金についてご紹介してきましたが、

日本国籍があるか、もしくは過去10年間に日本国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年を超える個人、

つまり『永住者』(正式名称:非永住者以外の居住者)であるとの前提で話を進めてきました。

この記事をご覧いただいているほとんどの方が、この『永住者』に該当すると思われます。

では、日本国籍がなく、かつ、過去10年間に日本国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である個人、

つまり『非永住者』は、どのように税金がかかるのでしょうか。

つまり非永住者は、日本に来て5年以内の外国人(日本国籍なし)が該当します。

非永住者の税金がかかる範囲は、以下の2つです。

非永住者の税金がかかる範囲
  • 国外源泉所得以外の所得
  • 国外源泉所得で国内において支払われたものまたは国外から送金されたもの

用語が難解なので、かみくだいてみます。

国外源泉所得以外の所得

国内資産の譲渡・貸付対価、日本国内勤務での給与などの「国内源泉所得」とほぼニアリーイコールです。

国外源泉所得で①国内において支払われたものまたは②国外から送金されたもの

①国外源泉所得で国内において支払われたもの

海外の不動産の賃料や外国株式の配当等が、日本国内にある非永住者の預金口座等に直接振り込まれたケース。

②国外源泉所得で国外から送金されたも

非永住者に対して国外源泉所得が海外で支払われた場合であっても、その後海外から日本国内に送金が行われたケース。

その年分の国外源泉所得のうち日本国内に送金があった金額は、日本でも税金がかかります。

つまり、非永住者(来日して5年以内の外国人)が海外の証券口座で管理している株から配当金をもらったり、株を売却して利益が出たとしても、

日本国内にお金が来ていなければ、日本の税金はかかりません。

なお日本の永住者(正式名称:非永住者以外の居住者)であれば、

日本国内にお金が入ってきてなくても日本の税金がかかりますので、きちんと確定申告をする必要があります。

まとめ

 

今回は、永住者・非永住者別に、海外の証券口座で管理している株についての日本の税金関係についてご紹介いたしました。

海外の証券口座にある株に関する税金は、確定申告がもれているケースが多くなっています。

今一度ご自身の状況をチェックして、必要であるにもかかわらず過去に確定申告ができていなかった場合は、できるだけ早く自ら『修正申告』をするようにしましょう。

 


こんな悩みごとはありませんか?

  • 担当者が毎年のように変わる
  • 税理士が高圧的で意見交換できない
  • 税理士から節税策など何の提案もない
  • 試算表をタイムリーに出してくれない
  • 試算表の説明を受けたことがない
  • クラウド会計に対応していない
  • ほとんど税理士が来てくれない
  • 質問しても回答がない、嫌な顔をされる
  • 現在の税理士が高齢でこの先が不安

 

税理士とのコミュニケーション不足は、記帳内容がぐちゃぐちゃになり、誤った経理処理となる要因となります。

その結果、3~5年周期の税務調査において指摘の対象となり、最大40%の追徴課税(追加で税金が取られてしまうこと)のリスクが高まります。

無駄な税金を払わないためには、常日頃、経理処理や経営環境などについて税理士と共有し、追徴課税リスクへの対応策を早期に講じることが大切です。

岩沢将志税理士事務所では、日本一気軽に相談できる税理士を理念に掲げた代表税理士が、経理内容のご相談はもちろん、税務調査対策(税務調査にて指摘が予想される事項を早期にお伝え)、お客様に最適な節税策のご提案等をさせていただいております。

ただいま、初回限定の無料コンサルティングを実施しております。

強引な勧誘は一切しておりませんので、お気軽にお問合せいただければと思います。

⇒税理士に無料で相談する

~常に代表税理士が責任をもって対応いたします~

CONTACT

お問い合わせ

強引な勧誘等は一切しておりませんので、お問い合わせフォームにてお気軽にご連絡ください。
税理士岩沢将志の写真

代表/岩沢将志

公認会計士・税理士
法人やフリーランスの方の決算申告・記帳代行・給与計算・年末調整や節税対策等をお手伝いしています。
写真・ジム・登山や読書が最近のマイブーム
ブログでは、日々のお役立ち情報を発信していきます!