【税金比較】役員報酬・配当金・退職金【どれがオトク?】


ご自分で会社を立ち上げて事業をしている場合、事業で稼いだお金をどのようにして社長個人の口座に移すか、悩まれている方も多いのではないのでしょうか。

役員報酬として社長に払えば所得税や住民税だけでなく、社会保険料もかかります。

社長に配当金という形で支払っても所得税や住民税が取られます。

しかし、稼いだお金を会社に残しておけば基本的に税金はかかりません。

では、事業で稼いだお金は社長個人の口座に移さず、会社に置いておいたほうがいいのでしょうか。

必ずしもそうとはいえません。生活費の一部を会社経費に入れることは出来ますが、

もちろん全額ではなく、プライベート感覚で自由に使えるのは限りがあるからです。

個人のお金として自由に使うには、役員報酬にしろ配当金にしろ、高い税金を払わなければならないように思えます。

もちろんいくらかの税金は払わなければなりませんが、

今回ご紹介する退職金制度を使えば、税金の額を大幅に減らすことが出来ます。

今回は、役員報酬・配当金・退職金のそれぞれのケースで負担する税金について、比較しながらご紹介します。

目次-Contents-

役員報酬にかかる税金

役員報酬には所得税や住民税だけでなく、社会保険料もかかります。

配当金や退職金には社会保険料はかかりませんので、これは役員報酬のデメリットの一つです。

まず所得税ですが、これは超過累進課税といって、稼げば稼ぐほど税率が高くなるしくみとなっています。

所得税率は以下のとおりです。

課税所得 税率 控除額
1,950,000 円以下 5% 0 円
3,300,000 円以下 10% 97,500 円
6,950,000 円以下 20% 427,500 円
9,000,000 円以下 23% 636,000 円
18,000,000 円以下 33% 1,536,000 円
40,000,000 円以下 40% 2,796,000 円
40,000,000 円超 45% 4,796,000 円

次に住民税。これは税率は一律で10%です。

そして社会保険料。

これはもっとも負担が重く、標準報酬(給料の額面+交通費とほぼ同額)の約3割がかかります(半分は会社が負担)。

配当金にかかる税金

(中小企業を前提にお話を進めているので、

ここでは上場していない会社からの配当金にかかる税金をご紹介します)

20.42%の所得税がまず源泉徴収され、原則として確定申告をする必要があります。

その結果、配当金は総合課税として他の所得と合算して税金が計算されます。

税率は役員報酬のところでご紹介した表をご参照ください。

住民税も役員報酬のときと同様、一律10%です。

なお総合課税として税金が求められた場合、その税金額から「配当控除」を差し引くことが認められています。

課税総所得金額が年間1,000万円以下の場合、

所得税からは配当金額の10%、住民税からは2.8%が配当控除として、税金が免除されます。

なお、一回に受け取る配当金が10万円以下(配当が年一回の場合)のときは

「確定申告不要制度」を適用することができ、20.42%の源泉徴収で課税関係が終わります。

なお、この場合でも住民税の確定申告はしなければなりません。

退職金にかかる税金

退職金はそれまでの長年の勤労・功績に対して支払われるものであるため、税金の面で大きく優遇されています。

つまり、役員報酬や配当金と比べるとあまり税金がかかりません。

まず退職金にかかるのは、配当金と同じく所得税と住民税。計算式は以下のとおりです。

退職金収入△退職所得控除)×1/2 ×税率

「退職所得控除」とは退職金のうち税金がかからない金額であり、次のように求めます。

勤続年数 退職金所得控除額
20年以下 勤続年数×40万円(最低80万円)
20年超 70万円×(勤続年数-20年)+800万円

給料にもこうした控除はありますが、退職金ほど大きくはありません。

30年勤めた人であれば、1500万円までは所得税も住民税もかかりません。

さらに、この退職所得控除を引いた金額の半額にしか税金がかからないという決定的なアドバンテージがあります。

(勤続年数が5年以下の役員の場合は、この×1/2の特例はありません。)

そして最後の「税率」。これは役員報酬や配当金と同様、所得税は超過累進税率、住民税は一律10%です。

役員報酬・配当金・退職金の税金を比べてみました

ここからはさらに分かりやすくするため、実際に数字を使って比べてみることにしましょう。

  • 勤続年数:30年
  • 30年間の報酬合計:6,000万円(年間200万円)
  • 法人税等は30%
  • 役員報酬以外の年間の法人利益は285万円

上記の金額を①役員報酬、②配当金、③退職金でもらった場合の税金関係を追っていきましょう。

社長一人だけの税金でなく、会社にかかる税金も考慮に入れます。

①役員報酬を30年間で合計6,000万円もらう(年収200万円)

まず、社会保険料。これは標準報酬(給料の額面+交通費とほぼ同額)の約3割なので、年間60万円(200万円×30%)。

次に所得税と住民税。まずは税率をかけるもととなる「課税所得」を求めます。

課税所得=給与収入△給与所得控除△所得控除

給料が200万円の場合の給与所得控除は78万円。

所得控除は社会保険料控除(自己負担分の30万円)と基礎控除のみと仮定して68万円(住民税は63万円)。

200万円△78万円△68万円(63万円)となり、課税所得は54万円(住民税は59万円)となります。

この54万円(住民税は59万円)にそれぞれ税率をかけて所得税額は2.7万円、住民税額は5.9万円となります。

役員報酬を支払うことで法人の利益は85万円となるため、法人税は25.5万円

社会保険料・所得税・住民税・法人税の年間合計は94.1万円

単純計算で30年間の合計税額・社会保険料は2,823万円となりました。

②配当金を30年間で合計6,000万円もらう(年間200万円)

まず、配当金には社会保険料はかかりません。

配当前の法人利益285万円に85万円の法人税がかかります(285万円×30%)。

次に、配当金を受け取る社長個人の税金。

配当金額が10万円を超えているため申告不要制度は使うことが出来ず、他の所得と合算する「総合課税」となります。

課税所得は200万円から基礎控除の38万円(33万円)のみを差し引いた162万円(167万円)。

この162万円(167万円)にそれぞれ税率をかけて所得税額は8.1万円、住民税額は16.7万円となります。

さらに配当控除が所得税に8.1万円(200万円×10%の20万円だが、税額が限度)、

住民税に5.6万円(200万円×2.8%)が認められる結果、所得税0円、住民税11.1万円となります。

法人税とあわせた年間の税額合計は96.1万円

単純計算で30年間の合計税額は2,883万円となりました。

③退職金を6,000万円もらう

退職金にも社会保険料はかかりません。

なお退職金はただ銀行預金などで貯めていくだけでは毎年の経費とは認められず、法人利益の285万円に法人税がかかります。

ここでは、毎年200万円の生命保険金を支払い、30年後に6,000万円が解約金として戻ってくるケースを前提とします。

生命保険料が経費となることで毎年の法人利益は85万円となり、法人税額は25.5万円(30年間合計は765万円)となります。

次に社長が退職金を受け取ることで発生する税金。

まず勤続年数が30年のため、退職所得控除は1,500万円となります(【30年△20年】×70万円+800万円)。

課税所得は2,250万円(【6,000万円△1,500万円】×1/2)。

これに所得税率と住民税率をそれぞれかけて所得税額620万円、住民税額225万円と求まります。

30年間の法人税と退職金にかかる所得税・住民税の合計額は1,610万円となりました。

まとめ

つらつらと文章で書いてきましたが、以下に図を載せましたので比べてみてください。

いかに退職金にかかる税金が少なくなっているか、お分かりいただけるでしょう。

【役員報酬・配当金・退職金にかかる法人と個人の税金負担比較】

  ①役員報酬 ②配当金 ③退職金
法人税(年)  25.5万円 85万円 25.5万円
社会保険料(年)  60万円 0万円 0万円
所得税 年額 2.7万円 年額 0万円 620万円
住民税 年額 5.9万円 年額 11.1万円 225万円
30年間の合計  2,823万円 2,883万円  1,610万円 

会社にかかる負担を考慮しても、退職金が社長個人にお金を支払う手段として最も税金の負担が少なくなるのがお分かりいただけたかと思います。

社長一人の会社でも退職金は重要なのです。

儲かったからといって次の年からやみくもに役員報酬をドーンと増やしたり、配当をすると思わぬ税金が請求され、資金繰りに困ってしまうことも少なくありません。

生涯を通じて最も税金が少なくなる方法をお探しの方には、退職金はまさにうってつけの方法といえるでしょう。

ぜひ、検討してみてください。


 
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