家賃補助のない会社でも、社宅にすれば税金・社会保険料を節約できる

 

前回、すでに住宅手当をもらっている方が社宅契約に変えることで節税できる方法を紹介しました。

http://iwasawacpa.jp/dbf58739/2018/08/28/%E4%BD%8F%E5%AE%85%E6%89%8B%E5%BD%93%E3%81%AF%E7%A8%8E%E9%87%91%E3%81%AE%E3%83%A0%E3%83%80%E6%89%95%E3%81%84%E2%81%89-%E3%81%99%E3%81%90%E3%81%AB%E7%A4%BE%E5%AE%85%E3%81%AB%E5%A4%89%E3%81%88%E3%81%A6/

今回は、家賃補助の制度がない会社でも、会社が実質的な負担を負うことなく会社も従業員も節税できる方法をご紹介します。

従業員はもちろん、会社も経費を計上して税金を少なくするだけでなく、負担の大きい社会保険料の引き下げも出来る方法なので、ぜひ実践してみてください。

会社名義で契約を

まず、社宅という形をとるために会社名義で賃貸借契約を結ぶ必要があります。すでに従業員名義で住んでいる場合は、会社名義に変更します。自分名義のままだと、社宅とはみなされません。

次に毎月の家賃の支払い。これはまず会社が家賃全額を支払いその後に従業員負担分を給与から天引きする形にする必要があります。

このとき、家賃全額を天引きしてしまっては社宅にした意味がありません。このとき「天引き」されるのは、社会保険料や税金を引かれた後の金額だからです。

ここで、家賃10万円の家に住み、従業員の給与から10万円全額を天引きする場合の手取り収入をみてみましょう。

※【東京都在住】【40歳未満】【扶養家族なし】と仮定します。

このように家賃全額を従業員への給与から天引きすると、これまで従業員が自分で家賃を支払っていた場合の社会保険料・税金負担とまったく変わりません。

会社負担分を給与額面から減額

それでは、どのような支払方法にすればいいのでしょうか?
前回はまず会社が家賃全額を支払い、その後従業員負担分を給与から天引きし、会社負担分は天引きせずそのまま会社負担とする方法を紹介しました。

今回の方法はまず会社が家賃全額を支払うところと、従業員負担分を給与から天引きするところは同じです。

異なるのは会社負担分の取り扱い。そのまま何もしなければ会社負担となってしまい、負担を嫌う会社であれば及び腰になってしまうでしょう。

ここで、会社負担分そのままにするのでなく、従業員の給与「額面」を減らすのです。家賃は会社が負担するものの、その分を給与から減額すれば、会社の実質的な負担は増えません。

下の図は、家賃10万円の家に住み、従業員の給与額面から会社負担分の9万円を減額し、従業員負担分の1万円を給与から天引きする場合の手取り収入をシミュレートしたものです。

このように給与額面を減らすことで、額面に基づいて徴収される社会保険料・税金を少なくすることが出来ます。

この結果、社宅に住む従業員は毎月の手取り収入を約2万3千円、年間にすると30万円近く増やすことが出来ます

会社にとってもメリット大

この節税効果、従業員だけにとどまりません。

それは、社会保険料の会社負担分の減額。会社は各従業員の健康保険料と厚生年金保険料の半額を負担しています。

その負担額は給与の額面(とほぼ同額)の約15%。給与額面が40万円の従業員を雇っていたら、この40万円の基本給のほかに約6万円の保険料を負担しています。
社宅家賃の会社負担分の9万円を給与額面から減額することで、会社の社会保険料の負担も減らすことが出来るのです。単純計算で毎月約1万2千円(9万円×15%)の社会保険料を会社は節約することが出来るのです。

なお、今回の例では会社負担分を9割として計算しました。その方法について詳しくは前回のページをご参照ください。この方法、市役所などに行って書類をもらったりする必要があるので、少し手間がかかります。その手間以上にメリットが大きいので是非オススメなのですが、それでも面倒であれば簡便的に会社と従業員とで半額ずつの負担とすることもよく行われています。

まとめ

会社にとっても従業員にとってもメリットの大きい社宅制度。ただ、もちろんデメリットもあります。それは、給与額面が下がってしまうこと。いくら自由に使える手取り収入が増えると説明しても、見た目の額面が下がることに抵抗を覚える人も少なくありません。「年収〇〇万円」など、まだまだ額面志向の強い世の中なので仕方ないかもしれないですが、「見た目の収入」にこだわらず、「自由に使えるお金」という視点を持ちたいですね。


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