日本ではしばしば精神論が尊ばれ、黙々と絶え間ない努力を重ねた末の熟練が美徳とされているように思います。
過去の歴史を見てもそれが分かるエピソードはたくさんありますし、現在までそういった文化・考え方は根強く残っているなと感じます。
今日は歴史から学びこれからの生活にどう活かせるか、2つの例から検証したいと思います。
私はひとり税理士として会社などには頼れないので、こういったことを日頃からよく考えています(笑)お付き合いください。
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銃は強くても邪道だった?
1542年、鹿児島県の種子島に鉄砲が伝来したと伝えられています。
そのわずか33年後の1575年、織田信長・徳川家康連合軍と武田信玄の息子 武田勝頼との間の『長篠の戦い』では、鉄砲で武装した織田・徳川軍が武田氏を打ち破りました。
他にも勝因は諸々あったのでしょうが、銃の優位性はある程度確認できた戦いであったと思います。
時は下って300年後、風雲急を告げる幕末。
江戸幕府のもと一致団結して外国と戦うか、幕府を倒して薩長(鹿児島・山口)を中心とした革命政権を樹立するかの大混乱時代です。
鉄砲が使われた戦いから300年も経っているので、さぞ進化した銃で幕末の戦争は行われているかと思ったら…
…武士の刀が主な武器です。
なぜ剣は300年も前に銃に敗れ去ったのに、まだ堂々と第一線で使われていたのでしょうか。
それから明治維新を経て、大正デモクラシーよろしく民主化が進んでいった後の大東亜戦争でも、重武装する米軍を相手に銃剣突撃の白兵戦が繰り返されています。
さらにもう一例。
徹底的に対空砲火の訓練を積む日本軍 vs 誰でも射撃の名人になれる自動爆破装置を開発する米軍
当時はまだミサイルがなく、爆弾をもった飛行機(爆撃機)が相手の戦艦や地上の基地に近づき、爆弾を落とす戦法がとられていました(ちなみに爆撃機を守るのが戦闘機で、相手戦闘機や爆撃機を機銃で撃ち落とします)。
船や地上の基地の人たちは爆弾を落とされたらたまったものではないので、いかにしてたくさんの敵の飛行機を撃ち落とすかが重要です。
日本軍は兵士に鍛錬を積ませ、徹底的に迎撃スキルをたたき込みました。
迎撃スキルだけではありません。
剣術や射撃スキル、ゼロ戦パイロットの技量の高さは世界一の水準と言われるほど、熟練兵士のレベルは高かったのです。
しかし、いくら個人個人がスキルを高めても、その人が死んでしまってはそれまでの技量の蓄積はもちろん失ってしまいます。
事実、熟練戦闘員の少なくなった戦争末期は「大和魂だ!」の精神論で無暗に突撃するスタイルが多くなっていきます。
これに対してアメリカ軍は、別の戦術をとりました。
個人を徹底的に鍛えるのではなく、「自分たちに有利なようにルールを変える」ことでした。
飛行機を撃ち落とす戦術では、『空に向かって爆弾を放ち、周囲〇メートル以内に飛行機が近づいたら自動的に爆発する装置』を発明し、大量生産しました。
これなら兵士一人ひとりに猛訓練をする時間を省くことができ、少し訓練するだけで誰でも飛行機撃墜の名人となることが出来ました。
これでゼロ戦や特攻機は次々に落とされていくことになったのです…
現代まで根本は変わっていないのでは
歴史の出来事から日本人の「一つのことを徹底的に究める」姿勢を見てきましたが、根本は2021年現在まで変わっていないのではないかと思うのです。
会社から与えられた仕事を黙々と一生懸命にこなし、長時間労働はザラです。
要領よく仕事を終えて定時で帰る社員よりも、要領は良くなくても毎日遅くまで会社に残っている社員の方が評価される社会ではないでしょうか。
「辛いことに文句の一つも言わず耐え、成し遂げる」ことが伝統的な美徳なのだと思います。
しかし、「コツコツ頑張るのはキツいから、ラクに目的を最短距離で達成できる方法を考え出す」ことが得意な人も一定程度います。
むしろ海外では主流でしょうか。
コツコツ頑張って積み上げても、情け容赦なく崩されてしまうのです。
税理士である自分にも当てはめてみました
税理士の業務のひとつに、『記帳代行』があります。
お客様からお預かりした経費のレシートを会計ソフトに入力していく作業です。
レシートを見ながら、日付・金額・内容をパソコンにばちばち入力していくのです。
数枚ならまだしも、会社によっては月数百枚なんてことはザラにあるわけです。
従来の会計事務所は(今でも多くのところがそうかもしれませんが)スタッフを大量に雇い、人海戦術でこの業務をこなしていました。
新人が入所して真っ先にするのが、勘定科目のコード番号を覚えることだというのも良く聞きます。
しかし、数年前からクラウド会計なるものが発売され、預金口座やクレジットカード明細、はたやAmazonのアカウントと連携することで、自動で仕訳を取込むことが可能になっています。
例えばAmazonで本を買った場合、クラウド会計を開くと勘定科目は「新聞図書費」、摘要欄は買ったその書籍の名称まで自動で取り込んでくれ、人間は『登録』ボタンを押すだけで仕訳の入力が終わってしまいます。
大変便利なクラウド会計ですが、まだまだ従来の会計ソフトの方が主流です。
顧客1社ごとに利用料がかかる(顧客が多いと割高)のと、やはり最初の導入の仕方が分からない、面倒だというのが大きいと思います。
しかし、仕訳入力などといった作業系の仕事は、確実に機械に任せたほうが速いし、ミスもありません。
何より、節税や資金繰りアドバイスなどといった、より顧客のためになるサービスに時間を割くことができるようになります。
記帳代行でガンガン入力してレシートの山が減っていけば『やった感』があって多少気持ちもいいですが、
「顧客のためになる仕事をする」という原点に帰って考えるのは、常に忘れないようにしたいですね。
こんな悩みごとはありませんか?
- 担当者が毎年のように変わる
- 税理士が高圧的で意見交換できない
- 税理士から節税策など何の提案もない
- 試算表をタイムリーに出してくれない
- 試算表の説明を受けたことがない
- クラウド会計に対応していない
- ほとんど税理士が来てくれない
- 質問しても回答がない、嫌な顔をされる
- 現在の税理士が高齢でこの先が不安
税理士とのコミュニケーション不足は、記帳内容がぐちゃぐちゃになり、誤った経理処理となる要因となります。
その結果、3~5年周期の税務調査において指摘の対象となり、最大40%の追徴課税(追加で税金が取られてしまうこと)のリスクが高まります。
無駄な税金を払わないためには、常日頃、経理処理や経営環境などについて税理士と共有し、追徴課税リスクへの対応策を早期に講じることが大切です。
岩沢将志税理士事務所では、『日本一気軽に相談できる税理士』を理念に掲げた代表税理士が、経理内容のご相談はもちろん、税務調査対策(税務調査にて指摘が予想される事項を早期にお伝え)、お客様に最適な節税策のご提案等をさせていただいております。
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